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タイトル未定 第三話

2009年09月10日
 一応出来た。一応明日だよね?だよね?(現在23:59分
 
 ただ推敲も何もしていません。垂れ流しの二次創作だから別にいいよね!
 ていうかどうしてこうなった!

 もういいもん!

 というわけで続きを読むで、第三話、始まります。




 結論だけ先に言うが、俺がどう足掻いてもシグナムさんに勝てるわけもなく、最終的には負けたのだが、あのシグナムさん相手に良い感じに奮闘できたとは思う。一度は地面に手を付けさせたのだから、我ながら奇跡的な所業だと思う。麻雀で理牌しようとしたら上がってました状態ぐらいに神がかった運のよさだった。

 ただ、判定が納得行かなかった。

 シグナムさんのおっぱい触っただけで何で判定が最低ラインなんだよ!?

 畜生。

 でも柔らかかったからいいや。

 ふっふー。ひゃっはー。
 あべし!?。









 第三話『掲げる目標がセクハラというのは如何なものか。だがそれがいい』





 

 模擬戦が終わった後に何故か当然のように説教された俺だったが、アレはあくまでアクシデントの一つに過ぎないと説得して、反論されて、拳骨一個ずつ貰ったところで説教が終了した。やはりというべきか、一番痛かったのはテスタロッサの拳骨だった。

 めごすっ、ってどんな擬音だよ。
  
「ティアナさん、アンカーガンありがとうございました」 


 あまりに痛かったので僅かに滲み出した涙を服の袖で拭った後、なんというかやっぱり胡散臭そうな男を見るような目でこちらに視線をやるティーダの妹に、礼の言葉と共に借りていたデバイスを返す。

「いえ……えーと……」
「鈴木、で構いません。それとも、デバイスの事ですか?」
「あの……ええ」

 デバイスに関して言うならば、特に弄ってない。弄ろうかと思ったが、ティーダの妹だとわかってしまった瞬間、下手に弄り辛くなってしまったのが一因なのだが、何のことは無い。特に弄るところが見当たらなかったのだ。

 それでも少しばかり故障しているのが見て取れたのでちょこちょこと弄って一時的に使えるように直しはしたが。深刻なレベルの故障ではなかったので、俺程度の腕前でもなんとかなったのは幸いだった。

「んー、やり辛いですか?」
「正直言うと……」
 
 と、まあデバイスの事を言っておいてなんだが、妹さんが言葉に詰まるのは単純に俺の言葉遣いに対してだろう。そりゃ俺だって、階級も年齢も勤続年数も上の人間が敬語(正確には敬語に近いもの、だが)を使って話しかけてきたら戸惑う。いや、次の瞬間には順応してしまうだろうが、それにしたってやり辛い事には変わりない。ていうか確信犯でやっているのだから気にする事はないのだけれど。

 少なくとも、俺の確信犯的な行動は嘗ての知り合いにはバレている。それぞれがそれぞれの反応を見せて俺のことを咎めたり、苦笑していたりするが、さてはて、どうしたものか。

 八神に視線だけでどうする、と視線で伺う。十年振りのアイコンタクトにも関わらず、こういったことに聡い八神は、右目を閉じる仕草を見せてくれたのだが、問題は俺の方にあったようで、彼女の仕草の答えが理解できなかった。なので、他の面子にも同じように伺ってみるが、俺の伺う視線がわからなかったものが大半で、やはり八神は何処かおかしいなという結論に至った。瞬間、八神から咎めるような視線に変わったが、お前はアレか。精神感応能力でも持ってるのかと伺いたくなる所業だった。

「ま、それならそれで普段通りに言葉遣いに戻すけどさ。後々悔やむ事になるぜ。何であの時あの人の言葉遣いを気にしてしまったのかと」

 俺が言うのもなんだが、と付け加えて妹さんに言う。
 頷いた三人娘。
 後で成人指定雑誌買いに行って来いよ、とは勿論言わなかった。
 
「……なんていうか、ドコから突っ込んでいいのかわからないんですけど……」
「そういう認識でいいんじゃね。変な話、妹さんとはあんまり顔合わせないだろうし?」
「そこで何でわたしに視線を向けるんや?」
「……今の反応で確定。お前、俺の事っていうか、何の情報も与えてねぇだろ?」
「察しが良い部下で助かるわ。準くん♪」

 可愛いは正義って言うよね。畜生。

「……はぁ、その性格なんとかしないと、結婚できねぇぞ、お前――――改めて、始めまして皆さん。陸士333部隊より出向命令を受けた、鈴木準陸曹長です。所属は…………所属は?」
「暫定やけども、スペクトラル分隊やな。シグナムには言うてあるけど、シグナムは一時的にライトニング部隊から外れてもらって、スペクトラル分隊で隊長として暫くやってもらうで?」
「了解しました」
 
 ちょっと変わった自己紹介の仕方になってしまったが、突然出てきた新人の印象を強めるにはこれでもいいかもしれないのかもしれない。あくまで俺の感性でモノを言っているだけなので、確証に欠けるが。

「後、準君はスペクトラル分隊の副隊長や。給料分以上の働き且つ、経歴に沿うように期待しとるで?」
「了解」
「なんや、あんまり驚いてへんのね」
「シャマルさんから聞いてたからな。決して、自分の実力なら当然のように認めてるわけじゃねぇからな?」

 しっかり釘を刺しておくと、あからさまな舌打ちを見せてくれたので、こちらとしては嬉しいような悲しいような、微妙な感覚だった。

「っていうか、俺以上に他の人たちの反応がアレなんだが」

 主に疑問の表情が多いが、中には驚愕を示すのもいる。ていうか高町とテスタロッサだった。
 なんだ、俺が副隊長になるような人間じゃねぇってかコノヤロウ。ランクは成長しないけど、人間的にはそれなりに成長してるんだよ!

「そういう感想が返って来る辺り、準君はなんとなく察してるん?」
「察すも何も、シャマルさんから……は聞いてないか。普通ならわかるだろ、多分、いやきっと、自分が特別な人間じゃ無い事を祈りたい」
「昔からそういうところは変わってへんのな」
「生涯一凡人。特別なのは初体験だけで充分です。これをどう取るかによって皆さんの耳年増具合がわかるので悪しからず」

 妹さんと高町とテスタロッサはセミロングの陸曹は耳年増、と。
 そんな俺の感想を他所に、八神は一度咳払いし、機動六課の隊長の顔になった。

「みんなには言ってませんでしたが、スターズ、ライトニング部隊はほぼ休養に入ってもらいます」
『え?』
「予想通りの反応やな――――ともあれ、述べた二部隊員は余りにも酷使しすぎているので、暫く休んでもらいます。みんな、表に出そうとはしませんが、緊迫した状況且つ、連日の仕事によって身体がボロボロのはずです」
「特に高町とか、高町とか高町だな。お前、その若さで死に急ぐ事はないだろうに。お前らアレか、男と付き合った事ないまま死ぬのかそーなのかー」
「……」
「準君は黙ってるように」
「イエス、マム」

 意見を持たない子供のように追従していたら、八神からストップが掛かった俺はもう正直何もする事がなかった。素直に話を聞くのもアレなので、どうしようかと思えば、ふよふよ浮かんでる人形みたいなのがいた。階級章を付けているので、ここの隊員なのだろうが……はて。

 疑問に思ってしまえば行動は速い。八神がなんだかくっちゃべってるのを意図的に無視して、八神の周りをふわふわしているちっこいのを捕まえた。ここが六課でよかったと改めて思った瞬間でもあった。

(いたっ!?)
(摘んだりして悪いなぁちびっこ。お前さん、何者なんだい?)
『いきなりなんなんですかっ、リィンはリィンなのです!』
『すると君が六課で噂のリィンフォース。で、可愛い可愛いリィンちゃんは六課の隊員なのかなあ?』

 勿論、こんな会話など暇潰しに過ぎない。話しかけたのは最初だけで、返しの言葉から念話に切り替えている辺り、この子も侮れない……それでいいのか機動六課。個人的には愉快な仕事場でいいとは思うが、仕事できるんだろうな、こいつら。

『当たり前ですよ! もしかして準さんもリィンが隊員に見えないとか言うんですか!?』
『返す言葉で悪いけど、聞こうリィンちゃん。君が食堂に行った時に小さい猫が働いていたらその猫が定員に見えるかな?』
『何を言ってるですか、見えないに決まってます! 可愛いマスコットですよ――――はっ、リィンを猫と一緒にしてます!?』
『……すぐに気付いたか。悪かったよ』
『良くても良くなくても食事を奢って下さい!』
『幾らなんでもそれは無理があるだろ?』
『ろ………………ろ…………ろ……ロン! ――――しまったです!?』
『以外と難しいな、これ。でも俺の勝ちなのでリィンちゃんは暫定的に俺より下な』
『うー、はやてちゃん、リィンは負けてしまったのですよー』
『ていうか幾らなんでもロンはねぇだろうに。ていうか意味知ってんのか?』
『偶にヴァイスさんとかシャリオさんとかとやるです……』

 なん……だと?

『――――レートは?』
『リャンピンです。準さんもイケる口ですね?』
『ウマは?』
『ワンツーです』
『……大丈夫なのか、それ』

 隊員同士の関係的な意味で。
 というか説明しておくと、レートは千点200円。である。ウマについては知らなくても大丈夫だと思う。一応述べておくと四位が一位に二万点、三位が二位に一万点である。激しくどうでもいい。
 何故に六課で麻雀の説明をしているのだろうか、俺は。

『リィンはあんまり負けた事ないので大丈夫なのです』
『……………………ていうか、お前は打てんのか?』
『今はこの姿ですけど、麻雀やるときはエリオさんやキャロちゃんぐらいになるです』
『誰だかわからんが、まあなんとなく理解できた。無駄なことに力使うなお前』
『麻雀は別腹なのです。――――時に、準さん。”打つ”を”ぶつ”と発音すると言う事は』

『ふふふふ』

『うふふふ』


『『うははははははは!』』



 八神が何やらみなさんに話をしている間、俺とリィンフォースⅡ(後でフルネームを知った)はそれはもう仲良くなっていたのであった。
 どうしてこうなった!

「そこの二人の曹長、後で反省室行きやで?」 
「「なんでっ!?」」

 どうしてそうなった!?



 ※※※



「……アレ、仕事分担おかしくね?」

 大事なところは聞いていない俺の所為で、シグナムさんに改めて俺の仕事内容を聞いてみたのだが、何かが変だった。

「まあ交代部隊が主力部隊に交代したのは兎も角、実戦だけじゃなくて書類整理やらクレーマー処理やら清掃員も兼ねてる……つーか、これ明らかに今さっき書き足したよな、これ! ここだけ殴り書きじゃねぇか!?」

 シグナムさんの口下手は余り解消されていなかったようで、書類を手渡されたのだが最後の一文だけボールペンで書き足されていた。違和感がありすぎて逆に違和感に思わないところだった。

 ちなみに、口下手云々よりも、胸を触りやがった野郎と話したくなかったという文句は受け付けない。アレは事故なんだから! ていうか対峙していたシグナムさんが一番理解してるだろうに。戦闘中にエロを持ち込める程餓えてはいない。

 餓えてないといいなあ。それじゃあただの変態だし。

 ……。

「……ん?」

 最後の一文に気を取られすぎて最初の方を見ていなかった俺は、改めて最初から書類を流し読みしていくが、今度こそ違和感らしい違和感に気付く。なんだろうと思い、流し読みを一旦中断しもう一度最初から読んでいくと、その違和感の正体に気付く。
 
「なあなあザッフィー。今日何日だっけ?」
「いつ気付いた? 気配を消していたというわけではないが、少なくともお前の視界に入っていないはずだぞ?」
「勘? もしくはご都合主義的な何かを感じ取ったとか?」
「相変わらず訳の分からない事を……隣は平気か?」
「どーぞ」
  
 ヴォルケンリッターの黒一点、ザッフィーことザフィーラの登場だった。狼から人へ姿へ変え、俺の隣へと座る。
 過去の知り合いの中で最も仲が良かったのがザフィーラであり、俺がヴォルケンリッターの中で唯一敬語を使わずに話し合える友人みたいな間柄だった。

 ヴィータ? アレは問題外だ。

 と、そこで気付く。

「あれ、そういや夢と希望とロマンを持つ赤毛のドリルっ娘はどうしたんだ?」
「ヴィータか。ヴィータは私用で出かけている。元々今日はオフだったようでな、昔の部隊の連中と楽しんでいるようだ」
「ゲートボールとかやりに行ってねぇだろうなあ、アイツ」
「一番最初にそれをやったみたいだ」
「やっぱりか……せめてゴルフとかにしろよ」
「連れて行かれた連中もそう思ったらしく、今度はゴルフに連れて行かれたみたいでな。今度はゴルフに嵌ってしまった」
「……幾分マシになった分だけ、良かったのか?」
「そのせいか、三ヶ月に一度はゴルフに行かないと駄目な身体になってしまったようだ」

 子供のような笑みを浮かべながらゴルフクラブを振り回すヴィータの姿は安易に想像が付いた。シャマルさんは振っても振っても当たらないで半泣きなっているんだろうなあ。

「ってか久し振りだなあ。他の連中は兎も角、ザッフィーと会うのは本当に感慨深いものがあるよ」
「その言葉に対して返すべき言葉はあるが、今回は十年振りということで不問としておこう」
「ははっ、お前も変わってねぇなあ」
「そういうお前も、余り変わってないな」

 俺は笑い。
 ザフィーラは苦笑する。
 それが酷く懐かしく、嬉しかった

「どうだ、今夜暇だったら飲みに…………ってそういうわけにも行かねぇか。俺は今日から…………って思い出した、今日って何日だっけ?」

 十年振りの再会に舞い上がっていたのかもしれない。今しがた訊ねた質問のことすら忘れていた俺は、改めてザフィーラにそう問いかける。

 ザフィーラがどう思っているかは知らないが、少なくとも俺の中ではザフィーラという存在は大きなもので、何者にも変え難いものであったのだ。そう思えるほどにコイツは俺に良くしてくれたし、俺の下らない理由を察し、隠してくれた。

 正直に言ってしまえば他の連中以上に、ザフィーラは俺の中で尊敬できる人物だった。

「ん? ……10月10日だが、それがどうかしたか?」
「…………フォルツァの野郎、俺に嘘付きやがったな」

 日付を踏まえて書類を眺めてみると、俺は10月11日から正式に六課出向となっている。つまり、今日俺がここにいるのは意味が無いわけではないが、貴重な休日を隊員たちとの顔合わせに使ってしまったのだ。

「……八神も一枚噛んでやがるのか、これは」
「そう言うな。主もお前に会いたがっていたのだから」
「正直言うと、俺はあいつらに会いたくなかったよ」
 
 ザフィーラにだからこそ漏らす本音。
 友人として、師匠であるコイツにだけは漏らせる本心。

「まだ、尾を引いているのか」

 俺の感情の推移を理解したのか、ザフィーラはなんとも形容し難い表情になる。それでも敢えて形容するとすれば、共感と苦笑と懐古の織り交じったような、そんな表情。
 
「こればっかしはなあ……吹っ切れりゃいいんだけどさ」
「それに関しては何も言わんよ。一度、言った事だからな」
「言ったっていうより、殴ったっていうんだよ、あれは」

 俺は苦笑して。
 ザフィーラは笑う。

「まあいいや。っていうか、俺の体内時計凄まじいな」
「?」
「いや、こっちの話。ていうかザッフィー、お前この後暇か?」
「暇、というわけでもないが。日報やそう言った類の雑用があるしな」
「ならそれ手伝ってやるから、今夜飲みに行こうぜ?」
「主に確認を取ってからで構わないなら、構わん」
「ていうかもう一人ぐらい男誘うか。女所帯の六課での数少ない男連中で飲みに行くか。そう決めた! お前は早く日報書いて来い。その他は俺に任せろ!」
「落ち着け、別に逃げやしないから」
「はっはー、時間は逃げるんだよ!」









 六課に来て一番嬉しいのは、ザフィーラと再会出来た事だった。



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